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地震に強い家とは?耐震構造にプラスαの安全を |家づくりコラム|ライトパス

地震に強い家とは?耐震構造にプラスαの安全を

耐震性と南海トラフ巨大地震

 

近い将来、近畿や四国よりやや南に位置するプレートによる、南海トラフ巨大地震が起こる可能性が高いことはここ数年でより認知されてきました。また、滋賀県では南海トラフ巨大地震以外にもいくつか想定される地震があり、県が情報をまとめています。

 
初めて見た時は少し驚きましたが、滋賀で被害が大きくなると予想される6つの地震の中で、南海トラフ巨大地震は小さな地震になります。

  • 琵琶湖西岸断層帯地震:大津・南部・高島地域で震度7・6強
  • 花折断層帯地震:大津・南部地域で震度6強・6弱
  • 木津川断層帯地震:甲賀地域で震度7・6強
  • 鈴鹿西縁断層帯地震:湖東・東近江地域を中心とした地域で震度7・6強
  • 柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯地震:湖東・湖北地域で震度7・6強
  • 南海トラフ巨大地震:県全域で震度6強・6弱

 
6つのうち4つが南海トラフ巨大地震よりも大きな地震となり、被害の想定も大きくなってなっています。断層の活動予想ができないものもあるため、近いうちに全ての地震が発生するというものではありませんが、滋賀には活断層がいくつかあるというのは覚えておきたいですね。

ちなみに、南海トラフ巨大地震の被害が小さめという理由は、単純に震源地が滋賀から離れているだけなので、太平洋に面する都道府県では東日本大震災以上の甚大な被害になることが予想されています。

さて、地震大国である日本に住む以上は、大きな地震が今後やってくることは想定しておかなければいけません。そこで考えるのが、住宅の耐震性能です。令和3年の住宅市場調査でも、注文住宅を購入した半数の方が耐震性を重要視されています。

では、どこまでの耐震性があれば問題ないのか?耐震性だけでいいのか?という疑問についてご紹介します。
 


−目次−
耐震性を突き詰めていけばほぼ問題ない
耐震性が落ちた時に発生しやすい「共振現象」に対応する制震ダンパー
モノコック構造にすることでより頑丈な構造するという選択肢も
制震ダンパーかパネル工法か、どちらかの採用を推奨


 

 

耐震性を突き詰めていけばほぼ問題ない

結論としては、耐震等級1の壁量に対して3倍の壁量があれば安心できるかと思います。

耐震等級3と壁量の差

耐震等級3が最高等級になりますが、等級3は等級1の1.5倍の耐震性能となります。壁量(耐震性を上げる頑丈な壁の量)は通常の壁量計算で1.86倍、構造計算をした場合で2.44倍必要になってくると言われています。

ウォールスタットというシュミレーションソフトを使って過去の震度7の地震を再現してみると、壁量が2倍以下の場合は倒壊の危険性が高いことから、構造計算の基準である2.44倍が安全なラインになってきます。

ライトパスの住宅は、一棟一棟違いはあるもののおよそ4倍ぐらいになるように計算して設計していることが多いです。壁量が多ければいいという単純な問題ではありませんが、全体のバランスを見つつも壁量はしっかり確保します。

耐震性が気になる方は、担当者さんに壁量についてご相談されてみてください。

 

耐震性が落ちた時に発生しやすい「共振現象」に対応する制震ダンパー

“共振現象”とは、建物の揺れ方と地震(地盤)の揺れ方が一致した時に、建物の揺れが増幅される現象です。

 
※参照記事:「地盤が硬ければ安心」ではない? 熊本地震にみる地盤と建物倒壊の関係

こちらの動画ではその現象をより分かりやすく解説されていますが、熊本地震が発生した際に場所によって倒壊率が違うことで注目されました。

熊本地震の調査資料

熊本地震の調査報告を見ると、古い住宅では共振現象によって倒壊したケースがあり、耐震等級2の家でも倒壊しているケースがあります。ただ、等級2の倒壊事例は共振現象のみが原因ではなく、上下階の壁や柱が一致する割合である直下率など、総合的な要因があるようです。

一方、耐震等級3であれば軽微な損傷はあっても大きな損傷を受けた住宅はないということで、等級3であれば共振現象の被害も受けにくいことが分かります。

しかし、家づくりにおいては間取りやデザインなど、耐震性の他にも優先したいポイントがあるというケースも多いです。その結果、耐震性を少し落とさないと実現が難しくなってしまうことも。そういった場合、繰り返す大きな地震による損傷で耐震性が落ち、共振現象の影響を受けて倒壊の危険性が上がります。

制震ダンパーは、“耐震性が低下するような損傷が発生する前に、揺れを吸収し耐震性を保つ”という機能があるため、間取りやデザインを優先した際にとくに効果的に揺れを軽減してくれます。

※制震ダンパーを採用する際も、耐震等級3の基準である壁量2.44倍を推奨。耐震性がない状態で制震ダンパーを採用するのは効果が半減するため

耐震×制震ならKダンパー
※弊社が推奨しているKダンパーの紹介記事はこちら

 

モノコック構造にすることでより頑丈な構造するという選択肢も

コーチパネル工法の構造

制震ダンパーを採用するよりもコストは上がりますが、モノコック構造になるパネル工法を採用することでより頑丈にしてしまうという選択肢もあります。

コーチパネルの施工事例
※弊社が採用しているコーチパネル工法の紹介記事はこちら

モノコック構造は、飛行機やスペースシャトル、新幹線などにも採用される構造で、現代の住宅においては全ての工法の中でもトップクラスの頑丈さになり、断熱性能や気密性能も高くなるというメリットがあります。

 

制震ダンパーかパネル工法か、どちらかの採用を推奨

壁量をしっかり確保した耐震等級3で十分ではありますが、制震ダンパーかパネル工法を採用しておくとさらに安心安全な住宅になります。とくに、間取りやデザインを優先させて耐震性が少し落ちる場合は、ぜひプラスαの要素を検討してみてください。

 


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