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家族の健康や快適さを左右するする「気密性C値」と「24時間換気」 |家づくりコラム|ライトパス

家族の健康や快適さを左右するする「気密性C値」と「24時間換気」

24時間換気システムの澄家

 

ライトパスでは、“澄家”という第1種24時間換気システムを導入しています。ご家族の健康と快適な暮らしを考えると、

  • ハウスダストを効率よく排出できる床排気=アレルギーの軽減や予防に
  • 熱交換により室温と湿度を90%再利用=快適な住空間の実現

 
この2つの理由から、快適な暮らしに必要不可欠と考えるからです。

そして、24時間換気システムの効果をしっかり得るためには、気密性がある程度高くないといけません。この記事では、24時間換気の種類、目的、そして換気に影響を与える気密性についてご紹介します。

 


−目次−
24時間換気システムは3種類ある
24時間換気の目的はシックハウス症候群の増加
気密性が悪いと換気されないケースも


 

24時間換気システムは3種類ある

24時間換気の種類

24時間換気は2003年に義務付けられましたが、3つの手法があります。その中でも一般的なのが第3種換気で、排気側に換気扇がついており、給気口はフィルターのみといった方式です。排気側のファンだけ回し、給気側で外気を吸い込む手法ですね。

第3種は低コストな換気システムのため、日本の住宅のほとんどが採用しているものになります。しかし、外気温がそのまま入ってくるため冷暖房の効果が落ちたり、排気口が壁の上部に取り付けられることが多いためハウスダストが溜まりやすいといったデメリットがあります。

 

一方、第1種換気は給気も排気も換気扇がついているため、両方のファンで家の中を換気します。一般的に、第1種換気にされる際は熱交換ができるものを採用し、室内の温度と湿度を80〜90%再利用することで快適な住空間にされることが多いです。第2種換気は住宅ではあまり採用されないため割愛します。



24時間換気の目的はシックハウス症候群の増加

シックハウス症候群

2003年に24時間換気が義務付けられた背景には、シックハウス症候群の増加がありました。日本でも欧米の建築デザインが増えていくことで材料が代わり、その材料から発生した化学物質による健康被害と相談件数の増加に歯止めをかけるというのが大きな理由の1つです。

グラフを見ていると、換気システムが義務付けられた2003年以降は急激に相談件数が減っていったのが分かります。2015年に再び相談件数が増えているのは、全体的に気密性が上がったことで隙間風が減り、ハウスダストが床面に溜まりやすくなったことが原因と思われます。

ハウスダストはアレルギーの直接的な原因になるケースが多いですが、目に見えにくいために存在が軽視されがちです。ですが、多くのケースで鼻炎等だけでなく食べ物アレルギーの原因の1つにもなります。

ライトパスが採用している24時間換気の排気口は床面にありますが、これは床上30cmに溜まりやすいハウスダストを効率よく外に排出するためです。一般的な24時間換気システムは、第1種換気であっても天井付近に設置されていることが多いですが、それではハウスダストは床面に溜まりがちになります。

大人であっても子どもであっても、アレルギーはつらいものです。新しい生活を始める住宅がアレルギー発症の原因にならないよう、ライトパスでは最善のご提案をしたいと思っています。

 

気密性が悪いと換気されないケースも

さて、ここから気密性と24時間換気のお話です。

お家には、必ず隙間があります。目では確認できないレベルの僅かな隙間がいたるところにあり、どれだけ高性能な家でも隙間を0にすることは不可能に近いです。

気密性が高ければ高いほどその隙間が小さくなるということになり、1㎡あたりどれだけの隙間(c㎡)があるかをC値[c㎡/㎡]と表記します。弊社の標準仕様に限りなく近い佐野モデルハウスでの測定値は、

気密測定後のC値

実質延べ床面積127.54㎡に対して、58c㎡の隙間があるということでC=0.5c㎡/㎡という結果でした。正確に計算すると0.454c㎡/㎡ぐらいですね。

「気密性能を謳うのであればC=1.0c㎡/㎡以下」と言われる世界ですが、高性能住宅の中でも“中の上”に位置する値です。ちなみに、C値は低ければ低いほど気密性が高いということになりますが、国の基準では平成14年まで

  • 北海道:C値2.0c㎡/㎡以下
  • その他の地域:5.0c㎡/㎡以下

 
という基準がありました。現在この基準は無くなりましたが、これは「普通にやっていればC=5.0c㎡/㎡以下になるのは当たり前」の時代になったことから、国の基準としては掲げない方針となったようです。

ただ、現実としてC=1.0c㎡/㎡でも計画の50%の換気しかできないという点が近年指摘されています。

気密性能と給気口の関係

出典:24時間換気と気密の関係とは?スキマ風による自然換気のデメリットNJK BLOG

 
こちらは、日本住環境株式会社様の換気の解説をされている記事から引用させていただいたものですが、C値1.0よりも気密性が悪くなれば10〜40%の換気しかできないという研究結果があります。計画的に換気ができないと、意図しない箇所での空気の出入りがあり、結果的に家全体の換気が滞る可能性が高くなります。

温度差による空気の移動が起こるため全く換気できないということではありませんが、条件によっては一部の空間の空気が滞るというのは十分に考えられるため、気密性はC=1.0c㎡/㎡はほしいとこころです。

日本住環境株式会社様の記事で公開されている動画を見ても、「気密性は0.5c㎡/㎡はほしいが、ひとまずC=1.0c㎡/㎡を目指しましょう」と紹介されていますが、注文住宅でも気密性に対して何も対策をしていないケースもあるので注意が必要です。

もちろん、住宅は性能が高すぎても低すぎても費用対効果が悪くなり、快適に暮らせる基準は住む地域や価値観によっても左右されます。気密性や断熱性能が高いからといって快適に暮らせるという保証はありませんし、コストと性能の最良なバランスを考え、その上で住む人のライフスタイルや価値観を軸に家づくりを進めなければいけません。

造り手の自己満足ではいけませんし、かといって住む人のリクエストだけで建てても快適性や満足度に直結はしません。プロはプロの目線でご提案しながらも、住む人の希望を形にする。家づくりで大事なのは、全てのバランスです。

このバランスをとるのが1番難しいポイントではありますが、気密性に関してはC=1.0c㎡/㎡以下を基準にお考えいただき、コストバランスを考えるならC=0.5c㎡/㎡前後が1番コストパフォーマンスが良くなるかと思います。家づくりを進める際は、この基準をまた思い出してみてください。

 


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