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滋賀の気候に合った注文住宅の断熱性能はUA値0.5 |家づくりコラム|ライトパス

滋賀の気候に合った注文住宅の断熱性能はUA値0.5

滋賀の注文住宅の断熱性能0.5

 

お家の“断熱性能=UA値”ってどこまで高い方がいいの?」「断熱性能の基準ってあるの?」というご質問が多いのですが、断熱性能の基準としては

  • 冬の室内温度18度を安定して保てること

 
というのが1つ目の基準になります。2018年に、WHOは“冬季の住宅における室内温度は18度以上を推奨”と各国に勧告しました。

これは、冬季における室温が高い方が呼吸器系・心血管疾患の死亡リスクが低下するという研究報告があるためです。国内における追跡調査でも、室温が暖かい方が高血圧や循環器疾患死亡率が有意に低下することが研究により報告されています。

では、冬季における室内温度18度以上を安定して保てる断熱性能はどれぐらいなのか?と考えた時に、暖房方法にもよりますが、およそUA値0.6あれば十分なレベル、可能ならUA値0.5ぐらいが理想となります。

そして、国の基準と高性能住宅の中間値であるUA値0.5前後が、住宅ローンと電気代の支出バランスが最も良くなります。これが支出の視点で考えた2つ目の基準です。以下、順番にご紹介します。

まず、建築物省エネ法では、各地域に対して基準とする“断熱性能=UA値”が公表されています。

出典:建築省エネ機構

日本地図の色でみれば、滋賀県は地域区分5・6となっており平均的な地域といえます。そして、国の省エネ基準による滋賀県の基準は等級4でUA値が0.87以下となっています(数値が下がれば下がるほど断熱性能が高くなり、家と外気の熱の出入りが軽減されます)

断熱性能の基準

こちらの表では、国の省エネ基準の他に代表的なものを一覧でまとめています。滋賀の地域区分である5・6は青にしています。

ZEH(ゼッチ)基準というのは家の省エネ性能を上げて、ソーラーパネルなどの再生可能エネルギーを導入することで年間の収支を(電気代−発電量=)0にすることを目指した基準です。

その下、HEAT20というのは国の省エネ基準やZEH基準よりも厳しくなっています。高性能住宅を売りにしている住宅の場合は、UA値はおよそ0.4以下を目指すことが多いです。

 

UA値を下げると、光熱費が下がる恩恵以上に建物価格が上がる

断熱性能のコストパフォーマンス

このグラフは、UA値によって光熱費と建物価格、毎月のローンの支払額が概算でどのように変化するかをグラフにまとめたもので、オレンジの線が建物価格の推移、青い線が光熱費の推移です(光熱費等の金額は一般的な生活による概算です)

弊社ではUA値0.5を基準に考え、建物価格は約2,000万円です(ウッドショックの影響等によりご相談時期によって変動している可能性がございます)。これを、例えばUA値0.3以下を目指せば建物価格は約2,700万円になります。 そしてUA値0.3以下を目指したことで光熱費がどれだけ安くなるかと考えた時、多めに見積もってもおよそ月2,000円になります。

光熱費が月2,000円光熱費が安くなり、35年経てば84万円安くなります。ですが、建物価格は約700万前後上がります。仮に、毎月5,000円の光熱費が節約できたとしても、35年で210万です。約100万円でUA値を0.5から0.4以下にすることができれば理想ですが材料費だけで相殺されてしまい、高い断熱性能を謳う会社の施工費は総じて高いため、

●建物価格2,000万円→95,000円/月
●建物価格2,700万円→111,000円/月

このように、ほとんどのケースで電気代以上に住宅ローンの出費が増えます。概算ではありますが、毎月約16,000円ほどの差は大きいですね。

 

UA値0.5と0.4以下で快適性は大きく変わらない

UA値を下げれば断熱性能が上がるので光熱費は下がります。しかし、劇的に光熱費が安くなるわけではありません。むしろ、建物価格の上昇によってローン支払額も上がり、結果的に月々の支払いも増えます

断熱性能が上がることで快適に暮らせるようになる、というメリットももちろんありますが、UA値0.6を切ってくると、体感の快適さはあまり変わりません。これは、ZEH支援事業調査発表会2020のアンケート結果を見ても分かります。

UA値による体感

滋賀県が北海道のような寒さなら話は別です。ですが、滋賀県は北海道ほど寒くありません(一部エリアを除く)。それを考慮すると、滋賀の住宅で断熱性能を寒冷地並に追い求めることコストパフォーマンスとしては決していいとは言えません。

もちろん、しっかりとした目的をもって高性能住宅を求めることは何も問題ありません。しかし、漠然と高性能住宅を求める場合は、コストバランスを考えるのがベストです。

 

トータルコストだけ見ればローコスト住宅が1番

断熱性能のコストパフォーマンス

ここでもう一つ考えるべきポイントは、ローコスト住宅のように建物価格を1,000万円前半にした場合はどうなるのか?ということです。 UA値による光熱費、毎月のローンの支払いを考えた場合の結論は、ローコスト住宅が1番いいということになります。

  • 建物価格1,300万円→77,000円/月
  • 建物価格2,000万円→95,000円/月
  • 建物価格2,700万円→111,000円/月


ローコスト住宅は性能が少し落ちるので光熱費は少し高くなります。 しかし、元の建物価格が安いので月々の支払いを低くすることができます。実際の快適性も、普通に冷暖房を使う場合は多少差を感じるものの大きな不快感はありません。

しかし、2点だけ懸念点があります。1つは建物の大きさと自由度です。ローコストにするためには、建物を小さくするか、あらかじめ間取りや設備などが決まっているセミオーダー型の住宅にするのが一般的です。

もう1つは、長期的に断熱性能が維持できるかどうかです。施工する側も厳しい工期に迫られ雑な施工になってしまう可能性があり、経年劣化を考えた場合少々不安が残ります。

 

注文住宅の自由度を活かしつつ、ベストなコストパフォーマンスとなるのがUA値0.5

ハウスメーカーや高性能の住宅だとトータルコストは高いです。かといってローコストの住宅だと自由度が無い。ライトパスはそのような両極端の住宅ではなく、

  • 3〜4LDKで約30〜35坪前後の広さと自由設計

  • 十分快適に暮らせる断熱性能

  • 月々のローン返済と光熱費のベストバランス

 
これらを考慮した結果、断熱性能と建物価格のベストなバランスはUA値0.5だと考えるようになりました。

 

月々の出費は、必ずローン返済額と光熱費のバランスを見る

断熱性能を上げると光熱費が安くなりますが、それ以上に建物価格が上がります。ランニングコストを考えて家を高性能にしたいとお考えの場合は、一度知人宅の光熱費を聞いてみたり、住宅会社に過去のお客さんの家の光熱費などを聞いて、実際に月々のローン返済額と光熱費がいくらになっているのかを確認してみてくださいね。

 


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