2022.04.06
注文住宅でコストダウンする5つのポイント
お家づくりでコストが上がる理由は様々ですが、家を大きくする、高い素材・商品を使うなど、コストアップに繋がるものは想像しやすいかと思います。
逆に、コストを抑えるポイントは想像しにくいのではないでしょうか?この記事では、お家づくりに携わる設計側の考え方で“コストを抑えるポイント”をご紹介します。
※この記事でご紹介している金額は参考値となります。実際のお見積りでは増減する可能性がございます
−目次−
①凹凸のないキューブ型を目指す
②基礎の面積を増やさない
③開かないFIX窓を採用する、または不必要な窓は採用しない
④窓を「ALL樹脂サッシ+アルゴンガス入り」から「アルミと樹脂の複合サッシ+ガス無し」に変える
⑤ベランダを無くす
●コストダウンしない方がいいもの
凹凸のないキューブ型を目指す
間取りを考える時、コストを抑えることを念頭に置くなら原則キューブ型を目指します。理由は、同じ面積でも形によって外周の長さが変わるからです。
こちらの画像は、よくあるキューブ型の間取りとL型の間取りの違いを数字で表してみました。白文字の64は面積。下の「=」の数字が外周です。キューブは32、L字は36。
比率で見ればおよそ12%変わり、角が増えると部材が増え単価が上がるため、一般的なお家の場合だと外壁分だけで約30万円前後の差になります。
基礎の面積を増やさない
一般的な2階建てと平屋を比較すると、平屋にすることで基礎になる面積が約2倍となり、基礎の金額も2倍ほど上がってしまいます。施工面積に大きな差が無くても、平屋の方が価格が高くなる理由の1つです。
つまり、2階建ての家でも基礎の面積を増やさないことで、基礎および屋根材の金額をなるべく抑えることができます。
仮に基礎の面積が1.25倍増えた場合、約30万円前後の差になってきます。希望の間取りを形にする場合は、2Fよりも1Fの方が広くなる可能性もありますが、予算とのバランスを考えて調整していきたいですね。
開かないFIX窓を採用する、または不必要な窓は採用しない
開閉しない窓のことをFIX窓と言いますが、開閉できる窓に比べてコストを抑えられます。そのため、開閉の可能性がない場所は思い切ってFIX窓にすることでコストダウンを図ることが可能です。
また、断熱性能を考えると、窓を無くす方が良いです。どれだけ高性能な窓であっても、壁の断熱性能の方が性能が高くなるため、不必要な窓があれば無くしてしまう方がコスト的にも断熱性能を担保する意味でも最良の選択になる可能性があります。
とくに、お風呂場の窓は生活スタイルによってはほとんど開けることがない上に、カビなどで掃除が大変。しかも断熱性能が下がります。近年の浴室は窓が無くても十分換気はできるので、
- 朝風呂に入りたい
- 景色を眺めながらシャワーを浴びたい(開放感を得たい)
などの要望がない限りは、よくよく考えたいポイントです。
ただ、外観のデザイン性を考える際、窓がアクセントとなりデザイン性として良くなる傾向があります。外観と採光のバランスも考えながら、窓の数や形を選定していきたいですね。
窓を「ALL樹脂サッシ+アルゴンガス入り」から「アルミと樹脂の複合サッシ+ガス無し」に変える
従来、日本の窓のサッシはアルミ素材が一般的でした。アルミ素材が普及した理由は、強度があり安価だったため。ですが、熱伝導率が高く冬場は結露してしまうのが特徴でした。
そこで近年は、アルミ素材ではなく熱伝導率が約1/1000になる樹脂素材を採用するケースが増えています。断熱性能が飛躍的に上がるため、冬場でも結露を起こさず、夏場は室温上昇の要因となるサッシの熱もかなり軽減されます。
しかし、サッシを全て樹脂素材にすると値段は高くなります。そこでお勧めなのは、アルミと樹脂の複合タイプ。とくに滋賀県内においては、長浜市など積雪量が多いエリアや山間部でない限りは、複合タイプでも結露せず十分高い断熱性能を得ることができます。
また、ガラスを3枚使ったトリプルガラスに、アルゴンガスを入れた高い断熱性能の窓を提案されることもありますが、マイナス5度よりも気温が下がらない滋賀の地域であればアルミと樹脂の複合サッシにペアガラスだけでも十分快適に暮らせます。
寒い地域に住む、家に住む方に持病があり高い断熱性能が必要、もしくは自宅内で仕事をするフリーランスやユーチューバーで基本薄着になるなど、高い断熱性能が必要になる明確な理由がない場合は、窓の性能を見直すことで50〜100万円ほどの差になります。
ベランダを無くす
近年、共働きの家庭が増えたことや、花粉やPM2.5の飛散などが増えたことで、洗濯物を室内で干すケースが増えています。洗濯用洗剤の進化によって、室内干しでも生乾きの匂いがしなくなったことも後押ししています。
ベランダは雨漏りの要因にもなり、メンテナンスコストもかかってくるため、屋外で洗濯物を干したいという要望がなければ設計の段階で無くしてしまうのも有りです。それだけで50〜100万円ほどの差になります。
コストダウンしない方がいいもの
ここまで、コストダウンのポイントをご紹介しましたが、最後にコストダウンさせない方がいいポイントをご紹介します。
1つ目は食洗機。深型を浅型にしたり、コストダウンのために無くしてしまったりするケースがありますが、大人2人暮らしの予定しかないという場合を除き「深型もしくはワイド型」がお勧めです。食洗機の恩恵はお皿が増えれば増えるほど感じることができます。
将来家族が増えることを考えた場合、お皿だけでなく小さめの鍋やフライパンならそのまま食洗機で洗えてしまう大容量タイプにしておくと、時短にもなり水道代の節約にも繋がります。
2つ目は、断熱性能。滋賀県で注文住宅を建てる時、過剰な断熱性能になっているケースがあるので適度に見直すのはコスト削減になりますが、あまり削減しすぎず十分快適に過ごせる断熱性能は担保できるようにしたいですね。
3つ目は耐震性能。正方形に近いキューブ型で建てるなら、特別な耐震システムを採用しなくても十分な耐震性を担保できますが、少し特殊な形になると住宅会社から耐震システムの提案をされるケースもあります。もちろん、キューブに近い建物でも耐震システムの提案がある場合もあります。
最初の提案に無くても、間取りの調整などで必要になるケースもあるため、提案された耐震システムを採用しない場合は慎重に判断する必要があります。
4つ目は収納スペース。収納スペースの考え方としては、新築後の入居では余裕をもたせておくのが理想です。将来家族が増えた際、アパートで大人の2人暮らしの時よりも多くの収納スペースが必要になってくるからです。
間取りを考える際には、今必要な収納スペースだけを考えると将来困る可能性が高いです。施工面積が大きくなるとそれだけ単価は上がりますが、将来荷物が溢れてしまわないように注意しましょう。
ここまでコストダウンについてご紹介しました。お家のことは調べてもなかなか分からない部分も多々あるかと思います。そんな時は気軽にご相談ください。ライトパスでご提案したプランをベースに、他社様を回っていただいて構いません。
世の中には全てのニーズに応えられる商品は存在せず、住宅においても同じです。お話をお伺いし、ライトパスでご契約いただければそれが本望ではありますが、お客さまの理想の暮らしのために必要なら他社様をお勧めさせていただくこともございます。
ライトパスでは押し売りやしつこい営業はいたしませんので、お家のセカンドオピニオン感覚でご相談いただければ嬉しく思います。