滋賀の注文住宅で、高気密・高断熱の基準はどれぐらい?
注文住宅をご検討されている方の場合、高気密・高断熱といった性能の高い家を目指される場合が多いです。
- 高気密:気密性が高い=家の隙間が少なく、冷暖房効果が高まる
- 高断熱:断熱性能が高い=外気温の影響が小さく、冷暖房効果が高くなる
といった効果があります。近年は高気密高断熱を打ち出す住宅会社も多くなっていますが、各社によって基準がバラバラです。そこで、この記事では滋賀に家を建てる場合の気密性と断熱性について、どのレベルまでの性能値を基準にするのがいいのかをご紹介します。
−目次−
●気密性能はC=1.0c㎡/㎡以下を基準に
●断熱性能の基準はUA値0.6以下、北は0.5以下
●高い断熱性能でどれだけ電気代が下がるか?
●性能だけじゃない、24時間換気の排気の場所はどこか?
●まとめ
気密性能はC=1.0c㎡/㎡以下を基準に
気密性を表す単位は【c㎡/㎡】です。1㎡あたり1c㎡の隙間があればC=1.0c㎡/㎡となります(数字が小さいと性能が高い)。図にするとこれぐらいの小さい隙間になります。
この画像で見るとかなり小さいイメージですが、一般的な4LDKの家の壁・屋根、床の面積は130〜150㎡ぐらいになるので、実際の家での隙間は150c㎡ぐらいになります。縦横12cmの正方形の隙間がある、これがC=1.0c㎡/㎡の基準ですね。ちなみにライトパスの標準仕様はC=0.5c㎡/㎡になります。
このC=1.0c㎡/㎡以下は、滋賀に限らずどの地域でも同じ基準で考えて問題ありません。住宅会社によってはC=0.2以下を打ち出しているところもありますが、普段の生活においてC=0.3以下の超高性能にしても違いを感じることはありません。
違いを感じない性能値に百万単位の金額を支払うのであれば、広さや設備、造作家具等に予算を回す方が充実した家づくりになるのではないかと思います。
問題は、気密性は測定しないと分からないことです。断熱性能とは違い、理論値による計算ができないため測定するしかありません。測定していればどれぐらいの性能値なのかが分かり、気密性を上げる対策も可能です。しかし、測定していないと気密性が高いのかどうかも分からないため、C値が2.0以上になってしまうケースがあります。
断熱性能の基準はUA値0.6以下、北は0.5以下
“断熱性能=UA値”の基準は、地方によって違います。①の北海道から⑧の沖縄まで8つの地域に区分され、滋賀では5・6の区域となります。5・6の区域の国の基準である等級4は0.87以下。その下、1つランクアップした等級5(ZEH ※ゼッチ)は0.6以下となっています。
滋賀では、この等級5のUA値0.6から0.5ぐらいが1番費用対効果が高くなり、それ以上の性能値では体感でも差を感じにくくなります。
実際に、経済産業省・資源エネルギー庁主催による調査で、UA値の違いによる冬季のアンケートが実施されました。このアンケートを見ると、UA値0.6〜0.28以下の間で冷暖房の効きに対する回答に大きな差がないということが分かります。
北海道や東北などの地域はまた別の話になりますが、滋賀に住む上ではUA値0.6以下であれば問題ないというのが1つの基準になります。ただ、実測基準で0.5ぐらいであればそこまで大きなコストアップ無しで実現できるため、ライトパスではUA値0.5ぐらいを基準にしていますね。
また、滋賀でも北に行けばいくほど寒い地域になるため、湖北で家を建てる場合はUA値0.5以下を目安にされるのが理想です。
高い断熱性能でどれだけ電気代が下がるか?
断熱性能=UA値0.6を下回っていくと、体感で差を感じにくいです。電気代がより下がればいいのですが、UA値0.6を切ってくると電気代の変化も小さくなっていきます。
こちらの画像は、UA値を0.6から0.28ぐらいまで性能を上げた場合、電気代が1,500円下がったけど住宅ローンの支払いが10,000円ぐらい増えるというグラフです。住宅ローンの支出は施工の工夫次第で5,000〜7,500円に抑えられる可能性はありますが、住宅ローンの支出アップを1,500円に抑えるのは難しすぎます。
これは、全体の電気代における冷暖房費の割合が25%前後にしか達しないことも要因です。25%しかない冷暖房費を仮に半分にできたとしても全体の12.5%しか安くならないため、断熱性能ばかりを追い求めると逆に支出が増えるという現象がおきます。
もちろん、年配の方と同居するため部屋の温度は一定にしておきたい、エコな暮らしがしたいなど、明確な目的がある場合は性能を求めて問題ありませんが、出費を少しでも下げたいとお考えの場合は電気代と住宅ローンのバランスを重視されるのが得策です。
性能だけじゃない、24時間換気の排気の場所はどこか?
2003年の建築基準法改正により、24時間換気が義務付けられました。これは、換気システムを導入する必要がなかった1990年代以降シックハウス症候群の相談件数がどんどん増えてきたのが理由です。その後、24時間換気が義務付けられてからは相談件数がどんどん減っていきます。
一般的な換気システムは壁に給気口と排気口を設置し、化学物質等はこの方法で換気を行うことで排気することがきます。ですが、化学物質以外のハウスダストは床面に溜まりやすく、壁の上部に設置された排気口で外に排出するのが困難です。
そこで、ライトパスは床給気・床排気の換気システムを採用しています。床から排気すれば、床面に近いハウスダストも効率よく外へ排出することができます。換気システムにこだわっている工務店も多くなってきましたが、排気口が上にあるとこまめな掃除等のハウスダスト対策が必要になってきますね。
まとめ
滋賀の地域区分では、
- 気密性:C=1.0c㎡/㎡以下 ※測定している企業でないと性能値は不明
- 断熱性:UA値0.6以下 ※湖北は0.5以下を推奨
この基準に加え、換気システムの排気口は床にあるのが理想です。また、電気代と住宅ローンの出費を両方考えて、トータルでの支出がどうなるかを調べてみましょう。滋賀では、UA値の性能が良くなるほど出費が増えるといった現象がおきるので注意です。
数字で比較できるところは、きちんと把握しておきたいですね。